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(各時期の講座記録・参加者感想) |
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移住者のリアリティ第3期 レイシズムを考える

レイシズムracism(人種主義)――。何かおぞましさを感じさせる言葉だろう。しかし日本では、それが疎遠な響きを持っていることも確かである。それは、どこか遠い場所・時代に猛威を振るった出来事として、自らとは無関係の現象として受けとめられているようにみえる。しかし人種とは、われわれと他者を区分することによって創り出し、その差異を自然で乗り越え不可能なものとしてヒエラルキー化する概念をいう。とするならば、racismは、いまここでも、見えない形で作用しているのではないだろうか。
一方、日本でも1995年に人種差別撤廃条約に加入し、差別撤廃にむけた一歩が踏み出された。しかしその後の展開は遅々としたものだった。それにくわえ、現在、日本を含む世界において、条約が想定している人種差別よりも、より複雑で捉えがたい形のracismが生じているようにも見える。この状況で、racismをどう考えていくことができるだろうか。またそこから、どのように抵抗の手がかりをつかみだすことができるのだろうか。連続講座ではracismについて、多角的な視点から考えていきたい。
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