在日本韓国YMCA移住者のリアリティTOP> 第2期「境界から考える」(2009年9月〜11月) 



(各時期の講座記録・参加者感想)

(2009年5月〜7月 アンジェロ・イシ×小ヶ谷千穂×五十嵐泰正×森千香子×山本敦久)

(2009年9月〜11月 挽地康彦×稲葉奈々子×高谷幸×鍛治致)

(2010年4月〜7月 辛淑玉×樋口直人×鵜飼哲)

(2010年10月〜12月 李孝徳×木下ちがや×金明秀×安田浩一)



第2期連続講座 移住者のリアリティ
境界から考える


急激な少子高齢化による総人口の減少、金融危機と製造業の不振、入管法改定の動きなど、移住者を取り巻く日本社会の状況は刻一刻と変化している。日本社会は移住者をどのように包摂し、いかなる共生社会を設計するのか。これまで幾度となく掲げられてきた「多民族・多文化共生」のスローガンを、改めて検証することが求められている。その一方で、素朴ではあるが重要な問題とも格闘せねばならない。
――そもそも移住者とは誰か、移住者のリアリティーとは何なのか。そもそも移住者と みなされる人びとを一括りになどできないし、そのリアリティーはおそらくスナップショットでしか切り取ることができないのだから。また一方で、それら素朴な問いは、すぐさま自己言及的な問いにぶつかるだろう。
――移住者をまなざし、名指す者はいったい誰なのか。移住者を名指す者であれ名指される者であれ、どちらの立場もけっして自明でないならば、そこにあるのは、立場性を自明視させる「神話」の働きである。<境界から考える>とは、この神話と向き合って立ち、思考することにほかならない。その先に何が見えるのか、連続講座で議論していきたい。


第1回 9/26(土)18:30〜

移住者と収容所―国境にあいた〈穴〉
講師:挽地康彦さん(和光大学教員)

◇テーマについて◇
日本には、退去強制の対象となった外国人を収容する施設が全国に3か所存在する。
外国人ばかりの収容所とは何なのか、そこでは何が起こっているのか。
ベールに覆われた入国者収容所の歴史と現在から、移住者を支配する闇の変遷をたどる。
◆講師の紹介◆
挽地康彦。和光大学教員。専門は社会学、移民研究。主な仕事に、「大村収容所の社会史(1)」
(『西日本社会学会年報』3号、2005年)、「占領期の〈九州〉と密航・密貿易」(松本・大島編『九
州という思想』花書院、2007年)など。


第2回 10/31(土)18:30〜

移住女性の貧困と生存戦略ー―在日フィリピン人女性の生活から見えてくること(仮)
講師:稲葉奈々子(茨城大学)、高谷幸(移住連)



第3回 11/28(土)18:30〜

中国出身生徒たちの高校進学と大学進学
講師:鍛治致(大阪成蹊大学教員)

◇テーマについて◇
中国残留婦人の孫を中心とする中国出身生徒の進路を調査したところ、小学校4-6
年で来日した生徒の高校・大学進学率が最も高かった。米国の移民研究を手がか
りに、なぜそうなるのかを考える。

◆講師の紹介◆
鍛治致(KAJI,Itaru)
1968年生まれ。埼玉県出身。1995年から大阪に移り住み、中国帰国者の児童生徒
に日本語や中国語を教える一方、彼(女)らの教育達成について調査している。2007
年より大阪成蹊大学講師。