在日本韓国YMCA移住者のリアリティTOP第3期「レイシズムを考える」(2010年4月〜7月)>辛淑玉 



(各時期の講座記録・参加者感想)

(2009年5月〜7月 アンジェロ・イシ×小ヶ谷千穂×五十嵐泰正×森千香子×山本敦久)

(2009年9月〜11月 挽地康彦×稲葉奈々子×高谷幸×鍛治致)

(2010年4月〜7月 辛淑玉×樋口直人×鵜飼哲)

(2010年10月〜12月 李孝徳×木下ちがや×金明秀×安田浩一)


第3回 11/27(土)18:30-20:30
「ナショナル・アイデンティティと排外主義を規定するもの」
金明秀 Myungsoo KIM (関西学院大学社会学部教員)
【内容】
ナショナリズムに関する思想や研究は多数あるが、その正体を実証的に解明しようとした研究はあまり多いとはいいがたい。また、排外主義の強さはいつもナショナリズムの強弱とセットで語られるが、これも実証的な観点から十分に検証された命題ではない。このセミナーでは、京都市民を対象とした調査データを用いて、日本人のナショナル・アイデンティティと排外主義の特性を実証的に論じていく。
【プロフィール】
1968年生まれ。関西学院大学教授。専門は計量社会学。主な研究に、『在日韓国人青年の生活と意識』(東京大学出版会、1997年)、「計量研究はいかにして社会的カテゴリーの生成に関与するか」(『解放社会学研究』第20号、2008年)、「在日韓国人の社会移動」(高坂健次編『日本の階層システム〈6〉階層社会から新しい市民社会へ』東京大学出版会、2000年)、等。


講座の記録 Coming soon!


参加者の感想
○ 主観的、思想的なものではなく、調査事実を基にした、分析/理解の内容となっており、大変興味深く拝聴致しました。他の諸国との比較や日本国内マイノリティのアイデンティティなど比較できる調査レポートもぜひ読みたく思います。
○ お話のはじめはウー難解!という感じでしたが理解・納得できる内容でした。一般的に何でも「ナショナリズム」と語ってしまいがちですが―ただ伝統文化に対する意識・感情は京都と東京ではかなりちがう気もします。東京に住んでいる人たちに対して調査しても同じ結果になるか関心があります。質問が出ましたね。また年令が大きな因子にはなっていないのが意外でした。
○ ナショナリズムという目に見えないモノを軽量する、という視点が新鮮でした。また、その計量についてもあくまで慎重にデータを積み重ね、主観的であることを自覚しつつ客観を目指す(?)という方法も興味深かったです。
○ 今まで見ないような視点で排外主義を考えることができました。排外主義とナショナルアイデンティティとの関りをもう少し考えられたらと思います。
○ おもしろかったですがちょっとムズかしかったです。
○ 計量分析を用いたこのテーマの研究の話を聞いたのははじめてでした。排外主義を抑制するための政策的取り組みの参照とするためには、こうしたデータの集積をもっとしていく必要があるのではと感じました。
○ 理論的アプローチの文献を読んだことしかなかったのでとてもためになりました。(チラシ(大学のゼミ)、鳥山貴生)
○ 「ネトウヨは社会の負け組」といったよく言われる言説が都市伝説にすぎないということがよくわかる研究だと思います。社会的・経済的要因がさほど影響していないということも日本のレイシズムを眺めての実感に非常に合致するものだと思います。(ツイッター、野間易通)
○ ナショナル・アイデンティティを数値を用いて可視化する、という手法がとても興味深かったです。
○ 難しかったけど、少しは理解できました。今後の勉強の参考にします。関西の先生の話を聞ける機会が持てて良かったです。
○ 大変分かりやすかったです。主従と権限に関する調査にも、期待しています。
○ 大変興味深く拝聴しました。